原爆はしょうがないでは済まされない!「夕凪の街 桜の国」

TOHOシネマズはませんから車で15分くらいで着くので、「消えた天使」を見てからシネプレックス熊本で「夕凪の街 桜の国」を鑑賞。2週間前にここで「転校生 さよならあなた」を見たんですが、そのときに前売券を購入しようとしたところ販売されていませんでした。しかたなく、オークションで前売券をゲットしたんですが正解でした。何と熊本ではレイトショーでの上映がなかったのです。
「夕凪の街 桜の国」は8月6日付日経新聞の「春秋」にも載っていましたので、興味を持っていました。先週、佐々部監督の「トップランナー」もNHK教育で見ました。原作は読んでいません。映画のテーマソングはハーブ演奏でとてもおだやかな気持ちにさせてくれます。「夕凪の街」での主人公皆実(みなみ)役の麻生久美子さんは、どことなく憂いがある表情ですよね。13歳のときに原爆に会い、妹翠さんは彼女の背中の上で「おねえちゃん、熱いよ」と言いながら、死んでしまいます。5人家族のうち、父と妹は原爆でなくなり、生き残った母と皆美は原爆スラムで暮らしています。生き残ったからと言っても五体満足ではないんですね。母と皆実が銭湯に入るシーンがありましたが、皆実は左肩、母はうなじにケロイドがありました。他の女性も背中にすごいケロイドが残っている人たちばかり。このシーンが一番印象に残りました。会社の同僚に愛を告白されるシーンは、古臭い感じはするものの、あの時代はあんな感じではなかったのかと思います。
そして、現代の「桜の国」。田中麗奈さん演じる石川七波は皆実の娘かと思っていたら、弟の石川旭の娘だったのですね。なぜ「石川」姓なのか?皆美の弟は戦時中水戸に疎開してそこの親戚の養子になります。高校を卒業して旭は死んだ姉に代わって母と原爆スラムで同居します。若いときの旭を伊崎充則が定年後の旭を堺正章が演じます。父や母の故郷の広島、原爆のこと。ほとんど彼女は聞いていなかったようです。父の跡を付けてやっと自分のルーツを知ることができたというような内容です。
この映画は「文部科学省特選」です。なのに、上映館が非常に少ない。佐々部監督の前作「出口のない海」はたいていのシネコンで上映されたのに、この差は一体何なのでしょうね。作品の出来は絶対この「夕凪の街 桜の国」が上だと思います。「原爆投下はしょうがない」と某大臣は発言しましたが、そんな言葉では済まされないと思える考えさせられる映画でした。上映館は少ないですが、ぜひとも皆に見てほしいです。
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